井上尚弥選手が5月4日、ラスベガスで行われたラモン・カルデナスとのタイトルマッチで、8回TKO勝利を収めた。しかし、この試合には衝撃的な瞬間があった。試合開始から数ラウンド後、井上選手は予想外の左フックを受けてダウンを喫し、キャリアで2度目のダウンとなった。この瞬間は、彼の強靭なイメージに大きな影を落とすものであり、ボクシング界に衝撃を与えた。
元王者の具志堅用高氏は、「ダウンより致命的だと思う」と、井上選手の試合中の警戒すべきポイントを指摘した。試合後、カルデナス選手はレフェリーのストップが早すぎたのではないかとの意見もあったが、井上選手の圧倒的な攻撃に耐えられない状態だったことは明白で、観衆の多くもその判断を支持した。
井上選手は次に、9月14日に名古屋で予定されるWBA世界同級暫定王者アフマダリエフとの対戦が期待されている。新設されるIGアリーナでの試合は、1万7000人の観客を収容可能であり、ボクシング界の注目が集まる。
しかし、井上選手の次の挑戦に向けて、元王者のニノ・ドネア選手は「もっと賢い相手なら」と警告を発しており、井上選手の弱点が露呈したことを懸念している。彼が階級を上げるごとに、対戦相手はよりフィジカルに強くなるため、次の試合はさらなる試練となることが予想される。
井上選手が今後どのように進化し、次の舞台での成功を収めるか、多くのファンが期待を寄せている。彼の目指す5階級制覇への道が、今まさに始まろうとしている。