中国のSNSで、日本の医療制度に対する厳しい批判が巻き起こり、大きな反響を呼んでいる。投稿者は東京都内の病院での体験をもとに、日本の医療の待機時間や制度に対する不満を表明し、「日本の医療は先進国の中で最悪」との見解を示した。
投稿によれば、男性は心臓の不調を訴え、検査を受けるために病院を訪れたが、ホルター心電図検査の予約が最短で8月14日、結果が分かるのはさらに10日後と告げられた。彼は「心臓が辛いのに、結果は8月24日だ」と不満を漏らし、過去にも新宿区での検査予約が1ヶ月待ちだった経験を挙げ、日本の医療制度に対する失望感を強調した。
この投稿に対し、中国のネットユーザーからは賛同の声が相次いだ。多くのコメントが寄せられ、検査に3週間、手術に2ヶ月待ちといった日本の医療の現状を批判した。中には、急病で救急に行った際に診療が朝8時半からであった体験を共有し、「そんなに遅れて何が分かるのか」と疑問を呈する声もあった。
また、日本に長く住んでいる中国人の中には、日本の医療制度に失望したという意見も見られ、「医療の条件は中国の方が上」との主張もあった。さらに、医療を受ける際の不平等感を訴える声や、「金持ちだけが優遇される」との意見も寄せられた。
一方で、日本の医療制度に対する冷静な意見も存在した。フランスに住むユーザーは、「フランスも同じように手術の順番待ちがある」とし、国際的な視点から日本の医療を評価するコメントもあった。日本の医療が遅いのは事実だが、それは安全性を最優先にした制度設計によるものであり、中国のように金さえ出せば即手術できるシステムとは根本的に異なるとの意見もあった。
この一連の議論は、日本の医療制度に対する不満と評価が中国国内で二極化している現状を浮き彫りにしている。日本の医療が待たされることが多いのは事実だが、その背景には医療費の抑制や安全性がある。医療資源が限られている以上、待ち時間ゼロは難しいとの意見もあり、どちらの制度が優れているかは価値観によるとの見解も示された。
今回の議論は、国境を越えた医療制度の比較において、異なる文化や価値観が交錯する様子を浮き彫りにしている。日本の医療制度に対する批判が高まる中、今後の動向に注目が集まる。